胡弓奏者・木場大輔の日々の出来事を、思いつくままに綴ります。
 
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京都造形芸術大「日本芸能史」終了
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    先日、京都造形芸術大の春秋座での、田口章子先生がナビゲーターを務める人気の公開講座「日本芸能史」にて、胡弓の演奏を担当して参りました。


    開場前の春秋座。

    この日は胡弓と二胡の比較がテーマで、私は胡弓ソロで「越中おわら節」「阿古屋」「鶴の巣籠」の演奏を担当しました。

    普段のコンサートでは調絃などの段取りの関係で滅多にそこまではできないのですが、今回はせっかく生音なので、それぞれの音色の違いもしっかり味わってもらおうと、曲ごとに実際にそれぞれのジャンルで使われる駒に取り替えて演奏しました。
    おわらでは薄い竹の駒。
    阿古屋では薄くて独特の形をした朴の駒。
    鶴の巣籠ではやや厚みのある楓の駒。
    駒の種類や掛ける位置のバランスで、同じ楽器とは信じがたいほどに音色が変わることを会場の皆様は目の当たりにされたことと思います。

    そもそもなぜ曲ごとに駒が違うかと言うとそれぞれの曲の胡弓を演奏する担い手が違うからです。
    越中おわら節は、越中八尾の方々が。
    阿古屋は、義太夫三味線の演奏家が。
    鶴の巣籠は、地歌箏曲の演奏家が。

    つまりは、それぞれの胡弓と合奏する三味線も、民謡三味線、義太夫三味線、地歌三味線というふうに、種類も音色も奏法も記譜法も撥も駒も全て違います。

    この三つの曲は、胡弓を最も代表するレパートリーでありながら、ジャンルが全く違うために、一人の演奏家が全部演奏するということは極めて稀なことであると言えると思います。

    バイオリンでは一人の演奏家のコンサートプログラムの中に、時代も国も異なるバッハとツィゴイネルワイゼンが同居していてもさほど違和感ないでしょうし、二胡でも現代の演奏家は様々な地域やジャンルに由来するレパートリーを持っていることが普通のように感じられます。
    それは、どちらも独奏楽器として確立され、レパートリーが整理されているからです。
    胡弓においてそういうことが稀なのは、未だ胡弓は独奏楽器としての地位が確立されておらず、胡弓専門の演奏家が少ないからだと言えます。

    そういう意味からも、今回は珍しい機会であったと同時に、自分以外で同じレベルでこれができる人が他にいるかと言うと極めて疑問であることから、自分の今やっている仕事の重要性に改めて気付かされることになりました。
    貴重な機会を与えて頂いた皆様に感謝しております。
    【2014.05.28 Wednesday 13:34】 author : KIBA
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