胡弓奏者・木場大輔の日々の出来事を、思いつくままに綴ります。
 
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組曲 古事記 初演終了!
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    奈良・学園前ホールでの、おとぎ10周年コンサートでの「組曲 古事記」初演は、満席のお客様に見守られて好評のうちに終了しました。
    作曲が終わる前にチケットが完売してしまい、お聴き頂けなかった方も沢山おられたこともあり、またより多くの方にこの組曲をお聴き頂きたいとの思いから、音と映像は近いうち公開できるよう現在準備中です。
    ひとまず、当日配布プログラムにも掲載した、作曲者である私自身による解説文で、余韻に浸りつつ、あるいは想像を広げつつ公開をお待ち下さいね。

    かくいう私は…余韻に浸るヒマもなく、今週末の吉田兄弟15周年スペシャル「和の祭典」の準備と東京でのリハーサルです。まずはこの土日、大阪・上本町の新歌舞伎座にて。まだチケット間に合うそうです。東京、名古屋も8月にあります。こちらもよろしくお願いします!

    では組曲古事記の解説文です。



    組曲『古事記』  木場大輔 作曲

    第一楽章 天地開闢

    十七絃の独奏で、万物がまだ混沌とした天地の始まりを奏で、次いで尺八・胡弓・琵琶・十七絃によるファンファーレが神々の登場を告げる。そして古事記の壮大な物語の始まりを、全体でのアンサンブルにより印象的に歌い上げる。

    第二楽章 国生み

    伊邪那岐神・伊邪那美神の二柱の神により日本列島の島々が生み出されていく情景を、雄大な旋律で表現している。はじめ琵琶により奏でられる主題を胡弓が引き継ぎ、十七絃の短いソロを挟み、主題は尺八を経て再び胡弓へと引き渡される。

    第三楽章 黄泉の国(1)

    火の神を産んだ時の大火傷が原因で、妻の伊邪那美神を亡くした伊邪那岐神の嘆きを、尺八が表現する。国生みの主題を陰音階で引用している。
    次いで妻の面影を求めて黄泉の国に旅立ち、妻と対面するまでの情景を、箏と十七絃の全音音階*を多用した掛合いで表現している。

    *全音音階:1オクターブを6つの全音で等分した音階で、ドビュッシーが好んで用いたことでも知られる。

    黄泉の国(2)

    一緒に帰ろうと妻の返答を待つ伊邪那岐神。その間、決して妻の姿を見てはならないという。暗くジメジメした洞窟のような黄泉の国での不気味な時間を、箏と十七絃が表現する。
    ついに約束を破り、妻の醜くおぞましい姿を見てしまった伊邪那岐神。慌てて逃げ出し、怒りに燃える妻が恐ろしい醜女や黄泉の軍勢にその後を追わせる情景を、琵琶と箏で表現している。
    様々な知恵で黄泉の軍勢から逃れ、黄泉の国への入り口を岩で塞ぎ、妻との永遠の別れとなる場面を、尺八が国生みの主題を引用して悲しく奏でる。

    第四楽章 天照大御神と須佐之男命

    太陽の神、天照大御神と、荒ぶる嵐の神、須佐之男命。ともに伊邪那岐神から生まれた姉弟の神でありながら、対照的な性格をもつ二柱の神を、胡弓・箏=天照大御神 尺八・琵琶・十七絃=須佐之男命 のアンサンブルで表現。
    高天原での弟の横暴をはじめはかばっていた天照大御神が、ついには我慢ならず、天の岩屋戸に籠ってしまい、世界が暗闇に包まれてしまうまでを描いている。

    第五楽章 天の岩屋戸

    暗闇に包まれてしまった世界。神々はかがり火のもと楽しそうな宴を繰り広げ、天宇受売命の踊りで興に乗り大騒ぎ。
    不思議に思った天照大御神が岩屋戸から姿を見せ、世界が再びまばゆい光で満たされるまでを、笛を中心に神楽のお囃子風の旋律と5拍子〜3拍子〜2拍子の変拍子のリズムで表現している。

    第六楽章 八俣大蛇

    八俣大蛇が毎年現れて娘を食べてしまうと翁が悲しむ様子を、琵琶と十七絃、箏のアンサンブルで表現している。続くトレモロの部分と合わせて、減七の和音を特徴的に用いている。
    次いで箏と十七絃による急速調の部分を挟み、尺八独奏による英雄的旋律は、大蛇を退治しようという須佐之男命の知恵と勇気を表現している。
    そして6/4拍子のリズムにのせて尺八の即興演奏が展開され、さらに胡弓との掛合いを挟んで激しさを増してゆくアンサンブルは、大蛇が押し迫り、戦う情景を表現している。
    ついに大蛇を退治した須佐之男命を讃える英雄的旋律が再び奏でられる。
    翁の娘を妻に迎えて、宮殿をつくる際に詠んだとされる次の和歌を歌詞とした歌で、組曲はクライマックスを迎える。
    「八雲立つ 出雲八重垣 妻ごみに 八重垣作る その八重垣を」
    【2014.07.22 Tuesday 09:31】 author : KIBA
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